国際女性泌尿器科学会2015 in フランス・ニース 報告

国際女性泌尿器科学会2015が、6月10日から13日にかけてフランス・ニースで行われました。今回は、この学会報告です。 骨盤底リハビリテーション(骨盤底筋トレーニング他)に関しては、外陰部痛に関しては陰部に麻酔薬を塗るだけの群よりも、しっかり骨盤底リハビリテーションを行った群のほうが、痛みの改善度が高かったという報告がありました。尿失禁、頻尿、骨盤臓器脱の症状改善に関しては、骨盤底リハビリテーショ...

マンモ(ス)グラフィー絶滅の危機??? -乳腺外科-

乳癌検診と聞いて、最初に思い浮かぶことは何でしょうか? 『あの長い時間、乳房を引き延ばされ、板に挟まれて、痛い思いをする。。。』そうです、マンモグラフィー(図a)です。乳癌検診のイメージを悪くする原因の1つになっているかもしれませんね。実際、乳癌検診の欧米受診率は80%と高いのに比べ、日本の受診率は16%とかなり低いです。 乳腺外来では『マンモグラフ...

第58回 日本形成外科学会学術総会 旅行記 in 京都

-形成外科・乳腺外科- 発表に至った経緯 昨年10月に行われた第2回 日本乳房オンコプラスティックサージャリ-学会で、当院のパラメディカルタトゥについて発表する機会があった。その学会には、多くの乳腺外科・形成外科の医師が参加していたのだが、興味を持って質問をして下さったのは、形成外科の医師ばかり。「この分野は、形成外科の範囲なのか」「だったら形成外科の学会で自分が発表すれば、パラメデ...

骨盤臓器脱の種類 -女性泌尿器科-

  腟からは、骨盤内にある臓器がどれでもでてくる可能性ががあります。 前から膀胱が出てくれば膀胱瘤、子宮が出てくれば子宮下垂・子宮脱、子宮と直腸の間から小腸が出てくれば小腸瘤、直腸がでてくれば直腸瘤です。さらに子宮を手術で切除したあとに、のこった腟がでてくる場合は、腟脱と呼びます。 骨盤臓器脱と尿失禁を、まとめて骨盤底障害と呼びます。いずれも骨盤底の筋肉、靭帯、筋膜の...

研修で南アフリカに行ってきました! -女性泌尿器科-

研修で南アフリカに行ってきました! 今回の研修は,オーストラリアの理学療法士が営むStu Bacという会社の運営で,“ちょっと変わったところで勉強しましょう”という企画でした。講師は,カナダ人のDiane Lee (ダイアン・リー)という方で,日本でも「骨盤帯(The Pelvic Girdle )」という本が出版されています。そして,この「骨盤帯」の翻訳をした友人が今回私を誘ってくれて南アフリカ...

タバコは、美容の大敵 -女性内科-

本日は、タバコの話をしようと思う。私が幼児であった昭和40年代・・・関口家では、母を除く全員の大人(祖父、祖母、父、叔母、叔父)が喫煙をしていた。家族喫煙率83%である。当時はハイライトだった。家の中はいつもタバコの煙にみちていた。いつのころから銘柄が、みんなのハイライトからセブンスターに変わった。 テレビ、映画でも、大人はみんなタバコを吸っていた。 その後、祖父が脳梗塞、祖母が胃がん、叔...

女性と漢方 -女性内科-

はじめに LUNAでは、西洋医学と東洋医学の融合を開院当初より目指しています。あえて、東洋医学科というような別の概念・診療科目は設けず、それぞれの医師が自分の専門性をより効果的に、また患者さま個人個人の特性を考慮しやすいように、西洋と東洋の両面から診察をさせていただいております。 例えば、50歳前後に起こりやすい更年期障害という概念は、婦人科でも内科でもお受けできます。主に、婦人科系...

乾燥の季節、保湿ってなに? -皮膚科-

寒い冬の終わりがようやく見えてきました。日も随分と長くなってきましたね。風に乗ってくる沈丁花の香り、花屋さんに並ぶチューリップ、時折さしてくる暖かな日差しなど少しずつ早春の気配を感じる瞬間が増えてきたように思います。とはいえ、まだまだ寒い日が続いていますね。空気の乾燥が気になる季節でもあります。 冬に引き続き、お肌の乾燥が原因と思われる皮膚のトラブルで外来に来られる方も少なくありません。肌...

子宮頚癌予防ワクチン -婦人科-

子宮頚癌の原因は、ヒト乳頭腫ウィルスの子宮頚部への持続感染である。このヒト乳頭腫ウィルスは、結構ありふれたウィルスで、普通のヒトが、普通に恋愛して、普通にセックスしているだけなのにもかかわらず、かなりの確率で感染する。また感染しても自然に治ってしまうことも多い。 しかし時々まれに直らず持続感染の状態になってしまうことがある。このうちさらにまれにその持続感染の部分が癌化するのだ。よってヒト乳...

骨盤臓器脱からの開放 -女性泌尿器科-

注:実在の患者さまではありません Cさんは、70歳です。50歳前後から、尿の回数は、他人より多いと感じていました。しかし特に生活に支障がなかったので、気にしていませんでした。ところが、2~3年前より夜間尿が1回から3回へと増悪、さらに6ヶ月前より午後になると、外陰部から何か丸いものが落ちてくる感じと、下腹部不快感が出現するようになりました。さらに昼間の頻尿も、1日...