乳癌治療最前線! -乳腺外科-

「乳癌治療最前線」 最新の乳癌治療について話したいと思います。 【乳癌治療の変化】  乳癌の治療は20年前と比べ、がらりと変わりました。20年前までは乳癌治療の中心的役割を担っていたのは手術療法でした。身体の中にできた悪い細胞を、一度に確実に取り除くことが根治への近道と考えられていたからです(Halsted理論)。 しかし最近は、乳癌は局所から全身へと段階的に進展するのではなく...

脳血管障害や脊髄障害でも、あきらめず骨盤底筋トレーニングを行いましょう -女性泌尿器科-

今回は、脳梗塞のような脳血管障害、脊椎狭窄症なでの脊髄障害による尿失禁などの下部尿路症状に対する、骨盤底障害治療の話です。  確かに、脳血管障害や脊髄障害による神経因性膀胱のための尿失禁は、出産等による骨盤底障害による症状より重症です。脳血管障害による神経因性過活動膀胱に対しては、比較的大量の抗コリン剤の使用や、抗コリン剤とβ3刺激剤の併用による膀胱過活動の抑制が行われます。また脊髄障害による尿失...

高血圧の薬は、長生きのサプリである -女性内科-

私は、高血圧である。発症は42歳。 両親ともに高血圧なので、いずれは高血圧になるだろうと予測はしていたが、まさかこんなに早く血圧があがるとは思わなかった。急に頭痛や、肩こりに悩まされるようになり、まさかと思って測ったら血圧が150/100になっていた。ついその半年前までは、最高血圧が100以下で低血圧ぎみだったのに、突然高血圧を発症したのである。当時飲んでいた低容量ピルの副作用かと思い、中止にして...

紫外線が気になる季節 -皮膚科-

 すっかり春らしい気候になりましたね。日差しも強くなりました。夏はもちろんですが、紫外線は4月ごろから増加してきますので、そろそろ本格的な日焼け対策が必要になってきます。今回は紫外線対策についてお話ししようと思います。  昨今では紫外線対策の重要性が言われ、しっかりと紫外線対策をしていらっしゃる方が増えているように思います。紫外線はお肌の大敵、という認識もかなり浸透しているようです。今回は...

クリトリスは露出すべきか否か? -女性泌尿器科-

 泌尿器科が扱う疾患に陰唇癒着症というのがある。陰唇癒着症とは、尿道や膣の出口を左右から2枚の唇のように覆っている陰唇が互いに癒着する外陰部疾患である。  まずは、クリトリスの部分が癒着し、さらに進行すると尿道口の部分も癒着して、尿がでにくくなり、排尿時に尿勢が散ったり、排尿後に尿が滴下するようになったりもする。低エストロゲン状態が誘因となり、炎症や感染、外傷など...

女性泌尿器科とリハビリテーション、そしてエビデンス -女性泌尿器科-

「リハビリテーション」  どんなイメージがありますか? 脳卒中による手足の麻痺、骨折等での歩行困難,五十肩や膝関節の痛み、パーキンソン病など進行する病気・・・これらに対するリハビリテーションを思い浮かべるのが一般的だと思います。泌尿器科とリハビリテーションは結びつかないかもしれませんね。  そもそもリハビリテーションは、re(再び)+ habilis(適した)、すなわち「再び適した...

ホクロ除去 -皮膚科-

 ほくろは医学的には色素性母斑というもので色素をもつ母斑細胞が皮膚の深部に存在するものです。 治療には皮膚を蒸散させるタイプの炭酸ガスレーザーというものを使います。治療は10~20分と短時間で、治療後から、洗顔、入浴、化粧などは日常どおり行うことができます。レーザー照射には痛みを伴いますが、冷却や局所麻酔の注射を行い、疼痛を最小限に抑えることができます。局所麻酔の注射自体にも痛みは伴いますが、注射...

骨盤底の分野について -女性泌尿器科-

スタッフも日々勉強 骨盤底の分野は、本当に日本ではまだまだ専門の医療スタッフが足りていません。そのため、医師を含めスタッフはひとりひとりの患者さんと向き合うことで、症状や治療の効果がどのように変化しているか、日々勉強しています。スタッフからは、よく「こういう本があったら勉強したい!」と言われるけど、骨盤底の分野において絶対正解という本はまずない。なので、スタッフにはいつもこう言います。「...

冷凍凝固療法とは -皮膚科-

主にイボの治療として行います。 液体窒素(-196℃)を用いて病変部の細胞を凍結させ病変組織を壊死させる方法です。 冷凍凝固療法は尋常性疣贅などのいわゆるイボの治療として頻繁に適応されていますが、そのほか脂漏性角化症(老人性疣贅)や老人性血管腫など、良性の皮膚腫瘍の治療としても効果があります。首にできる多数の小さなイボ(アクロコルドン)なども良い適応となります。いずれも基本的に保険適応の治療とな...