QOL疾患
QOL疾患とは、放置しても死ぬことはないが、生活の質がとても落ちる病気のことです。 以前は、放置すると死ぬ病気(癌、脳血管障害、心臓病など)などに比べると、一段低くみられていたQOL疾患ですが、先進国では人間が長生きするようになって、高齢化によるQOL疾患が増加し、衣食住が足りていればいいという時代から、豊かな人生を送りたいと人々が望むようになったため注目されるようになりました。さらにそれ...
がんで若死にしないようにしよう
元キャンデーズの田中好子さんが、乳癌で亡くなったことが報道された。19年前に初発し、その後何度かの再発を乗り越えたそうだ。芸能人が、癌で亡くなるととたんに、一時的にマスメディアが、その癌に注目し、報道が増える傾向にあるが、今回も例外ではない。しかしこの20年くらい闘病して死亡するというパターンは、乳癌患者では決して珍しいものではない。最近の乳癌患者は、発症してから10年以上生きるのが当たり前であ...
骨盤臓器脱のステージ -女性泌尿器科-

骨盤臓器脱のステージは、現在国際尿禁制学会制定のICS分類がもっとも使用されています。POP-Qという腟内の9つのポイントの長さを測る、専門家向けのステージング法がありますが、この簡易版が分かりやすいので、こちらで説明します。 腟口からどのくらい出ているかでステージが異なります。 ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ4 腟口から出て...
「女性のココロと体調」 -女性内科-

女性医療クリニックでのアプローチ 女性クリニックでは、まずホルモン療法や、漢方、抗うつ剤などで、更年期や過剰なストレスで、バランスの悪くなった体のホメオスタシス(恒常性)を回復し、さらにカウンセリングなどで、潜在的なストレスの正体を、患者自身が認知し、体調の悪さを、ストレス暴露のサイレンと考え、そのストレスから距離をおくように、学習してもらい、最終的には、運動療法で、ストレスに強くなる主体となるこ...
国際女性泌尿器科学会2015 in フランス・ニース 報告

国際女性泌尿器科学会2015が、6月10日から13日にかけてフランス・ニースで行われました。今回は、この学会報告です。 骨盤底リハビリテーション(骨盤底筋トレーニング他)に関しては、外陰部痛に関しては陰部に麻酔薬を塗るだけの群よりも、しっかり骨盤底リハビリテーションを行った群のほうが、痛みの改善度が高かったという報告がありました。尿失禁、頻尿、骨盤臓器脱の症状改善に関しては、骨盤底リハビリテーショ...
マンモ(ス)グラフィー絶滅の危機??? -乳腺外科-

乳癌検診と聞いて、最初に思い浮かぶことは何でしょうか? 『あの長い時間、乳房を引き延ばされ、板に挟まれて、痛い思いをする。。。』そうです、マンモグラフィー(図a)です。乳癌検診のイメージを悪くする原因の1つになっているかもしれませんね。実際、乳癌検診の欧米受診率は80%と高いのに比べ、日本の受診率は16%とかなり低いです。 乳腺外来では『マンモグラフ...
第58回 日本形成外科学会学術総会 旅行記 in 京都

-形成外科・乳腺外科- 発表に至った経緯 昨年10月に行われた第2回 日本乳房オンコプラスティックサージャリ-学会で、当院のパラメディカルタトゥについて発表する機会があった。その学会には、多くの乳腺外科・形成外科の医師が参加していたのだが、興味を持って質問をして下さったのは、形成外科の医師ばかり。「この分野は、形成外科の範囲なのか」「だったら形成外科の学会で自分が発表すれば、パラメデ...
骨盤臓器脱の種類 -女性泌尿器科-

腟からは、骨盤内にある臓器がどれでもでてくる可能性ががあります。 前から膀胱が出てくれば膀胱瘤、子宮が出てくれば子宮下垂・子宮脱、子宮と直腸の間から小腸が出てくれば小腸瘤、直腸がでてくれば直腸瘤です。さらに子宮を手術で切除したあとに、のこった腟がでてくる場合は、腟脱と呼びます。 骨盤臓器脱と尿失禁を、まとめて骨盤底障害と呼びます。いずれも骨盤底の筋肉、靭帯、筋膜の...
研修で南アフリカに行ってきました! -女性泌尿器科-

研修で南アフリカに行ってきました! 今回の研修は,オーストラリアの理学療法士が営むStu Bacという会社の運営で,“ちょっと変わったところで勉強しましょう”という企画でした。講師は,カナダ人のDiane Lee (ダイアン・リー)という方で,日本でも「骨盤帯(The Pelvic Girdle )」という本が出版されています。そして,この「骨盤帯」の翻訳をした友人が今回私を誘ってくれて南アフリカ...
タバコは、美容の大敵 -女性内科-

本日は、タバコの話をしようと思う。私が幼児であった昭和40年代・・・関口家では、母を除く全員の大人(祖父、祖母、父、叔母、叔父)が喫煙をしていた。家族喫煙率83%である。当時はハイライトだった。家の中はいつもタバコの煙にみちていた。いつのころから銘柄が、みんなのハイライトからセブンスターに変わった。 テレビ、映画でも、大人はみんなタバコを吸っていた。 その後、祖父が脳梗塞、祖母が胃がん、叔...