若い女性に多い性交痛 ― ホルモンを使わない新しい治療法
「20代なのに性交時に痛みがある」「ヒリヒリ、つっぱる感じがつらい」
そんな悩みを抱える女性は、実は少なくありません。
性交時の痛みは性交痛と呼ばれる症状で、若い方の中には「腟前庭部炎」が原因となっているケースが多く見られます。腟口まわりの粘膜が慢性的に炎症を起こし、触れるだけで痛みが出てしまう状態です。
従来はホルモン療法がよく用いられてきましたが、
「若いからホルモンは使いたくない」
「長期的な影響が不安」
と感じる方もいらっしゃいます。
そこで近年注目されているのが、ホルモンに頼らずに粘膜本来の回復力を引き出す治療です。
ミラジェット×ヒアルロン酸による粘膜ケア
当院で行っているのは、ミラジェットを用いたヒアルロン酸注入です。
針を使わない新しい注入機器「ミラジェット」
ミラジェットは、レーザーによる圧力で微細なジェット流をつくり、針を使わずに粘膜の奥へ成分を浸透させる技術です。
ヒアルロン酸の効果
ヒアルロン酸は高い保水力を持ち、皮膚や粘膜の潤いを保つ役割を担っています。性交痛治療における効果は以下のとおりです。
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腟の乾燥改善・潤い回復:萎縮した腟粘膜に潤いを与え、乾燥による不快感を和らげます。
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組織の再生・弾力性の向上:細胞の再生を促し、粘膜をふっくらとした弾力ある状態に近づけることで性交痛の軽減が期待できます。
若い女性にも選ばれる理由
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ホルモンを使わない:エストロゲンに頼らず自然な回復をサポート
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針を使わない:痛みや出血のリスクが少なく、デリケートな部位に適応可能
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ダウンタイムが少ない:施術後も日常生活に支障が出にくい
施術の流れ
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施術前に洗浄・麻酔ジェルを塗布
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ミラジェットで腟前庭部〜腟内にヒアルロン酸(計2ml)を注入
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所要時間は約15〜20分
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2〜4週間ごとに2〜4回を基本とし、その後は必要に応じてメンテナンス
この治療が向いている方
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挿入時にヒリヒリ・焼けるような痛みがある
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軟膏やホルモン治療で十分な効果を得られなかった
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「年齢的にホルモンはちょっと…」と迷っている
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自然な方法で粘膜機能を回復させたい
専門医からのメッセージ
近年、腟前庭部炎による性交痛に悩む若い方が増えていますが、治療法の選択肢は限られてきました。
「つらいのは自分だけ」と思わずに、まずは体のサインを知り、相談することが大切です。お気軽にご相談ください。
2025.9.8
女性医療クリニックLUNAネクストステージ院長 中村りょう子