腟の外から中が見えてしまう気がする― 専門医が解説する原因と治療法
「腟の外から中が見えてしまう気がする…」
「パートナーに“ゆるい”と言われてショックだった」
「お風呂で腟の中にお湯が入ってしまう」
このようなお悩みを抱える女性は少なくありません。
一般的な婦人科では「出産後は仕方ない」と言われてしまうこともありますが、腟のゆるみは治療できる症状です。
当院フェムゾーン外来では、腟の専門知識を持つウロギネ医(女性泌尿器科専門医)が、原因を正しく評価し、最適な治療をご提案しています。
腟のゆるみには2種類あります
腟が「ゆるい」と感じる原因には、大きく分けて2つのタイプがあります。
1. 筋力低下による「ゆるゆるタイプ」
骨盤底筋の筋力が低下し、腟の締まりが弱くなっている状態です。
産後間もない時期や、閉経後の筋力低下で多くみられます。
👉 この場合は、骨盤底筋トレーニングを行うことで改善が期待できます。
2. 組織の損傷による「がばがばタイプ」
出産や加齢で、腟を支える靭帯・筋膜が損傷・伸びてしまった状態です。
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腟が開きっぱなしで閉じられない
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外から腟の中が見える
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奥まで弾力がなく、摩擦感が乏しい
といった症状が特徴です。
👉 この場合、筋トレだけでは改善しにくく、医療的な治療が必要となります。
治療方法について
腟縮小手術
腟の奥までしっかり縫合して締め直す手術です。
「大げさに感じる…」と思われがちですが、自然な仕上がりと高い満足度が得られる治療です。
注意点として、美容外科などでは腟の入り口部分だけを縫うケースもあり、十分な改善が得られないことがあります。
当院では腟の構造を理解した医師が、奥行きや筋肉の状態まで評価し、内部から支える形で縫合を行います。
腟ヒアルロン酸注入
腟の入り口〜中間部にかけてヒアルロン酸を注入し、摩擦感や締め感を高める治療です。
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性行為時の感覚を改善したい方
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より強い締まりを希望する方
に適しています。
ただし、中等度以上の腟ゆるみには効果が限定的なため、腟縮小手術をおすすめする場合もあります。
セルフチェック ― 自分の腟の状態を知るには
「自分の腟がどうなっているか分からない」という方は多いです。
お風呂などで指を腟に入れてみて、3本入ってしまう場合はゆるみが強いサインかもしれません。
腟のゆるみは「年齢のせい」「仕方ない」と片付ける問題ではありません。
見た目だけでなく、自信・快適さ・性生活の満足度にも深く関わります。
「中が見えてしまう気がする」「腟のゆるみが気になる」と感じる方は、
ぜひ一度、**骨盤底の専門医(ウロギネ)**にご相談ください。
当院フェムゾーン外来では、腟の状態を丁寧に評価し、
骨盤底筋トレーニングから腟縮小手術、ヒアルロン酸注入まで、
お一人おひとりに合わせた治療法をご提案しています。
2025.9.22
女性医療クリニックLUNAネクストステージ院長 中村りょう子