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前戯ってなにすればいいの?センセートフォーカステクニック、マンネリ防止にも!

挿入障害のカップルには、挿入なしのセックスをおすすめしています。

ダイレータートレーニング中、まだペニスが挿入できない段階でも、
定期的に性行為をもつことはふたりの親密度を上げるためにとても重要です。

 

それに、ダイレータートレーニング中で、
「どうせペニスが入らないから…」と言って
セックスをしないでいると、いざ、ペニスの挿入をtryしましょうとという段階になっても、なかなかうまくいきません。

 

ところで、
セックスレスの定義ってご存知ですか?

なんと、1ヶ月性行為がない場合はセックスレスであると判断します。

結構短期間ですよね。

1ヶ月セックスがないと、再開することが難しくなるといわれているからです。

 

ダイレータートレーニング中も同じことです。
いざペニスの挿入tryをしようと思っても、セックス自体の再開が難しくなってしまいます。

ペニスの挿入tryは、セックスの流れの中で行った方がスムーズです。

本来はダイレータートレーニングも同様に、セックスの流れの中で行った方がスムーズでしょう。

ですが、
つい時間がなかったり、仕事で疲れていたりして、ダイレータートレーニングの前にわざわざ性行為を持てない。

または
パートナーと同居していない場合は、マスターベーションで性反応を引き出した後にダイレータートレーニングをしていただくことをおすすめしています。

マスタベーションに抵抗がある方、またはその時間さえない方、マスターベーションを毎日はできないという方の場合は、しっかり潤滑ゼリーを使用して、せめて物理的な抵抗を減らすようにします。

 

性反応は心理的な抵抗を、潤滑ゼリーは物理的な抵抗を下げると考えられます。

 

ダイレータートレーニングの前にはセックスをした方がいい、というお話でしたが、
一方、
セックスにダイレータートレーニングが組み込まれることで、性行為自体が練習のようになってしまって、性行為自体を楽しめなくなってしまうこともあります。

 

なので、セックスが一定の頻度あって、
そのなかで、ダイレータートレーニングをする日としない日をつくるのが本当はよいのかな、と思っています。

 

セックスを楽しむことができて、興奮度をしっかり上げることができた後に、
「今日はできそうかな?」
「今日はやってみる?」
みたいな感じで、ペニスの挿入をtryして欲しいです。

少しでも痛みや不安があるならその場でやめて、
「今日は指だけにしようか」でもいいし、
「前戯だけでいいか」でもいいし。

セックスをすると、必ずペニスの挿入tryをしなくてはいけない、だと、性行為自体がいやになってしまう訳ですね。

なので、セックスのなかで、挿入以外を楽しむ日、ダイレータートレーニングを一緒にする日、ペニスの挿入を試す日、をそれぞれ作ってあげればいいかな、と思います。

きっちりきめてもいいし、その時の気分で決めるでもいいと思います。
甘えすぎてなかなかtryできないでは困りますが…

 

さて、そんなわけで、
挿入のないセックスをおすすめすることがあるのですが…

中には

 

「挿入なしの性行為、てなにすればいいんですか?」

「私も何していいかわからないし、彼もわからないと思います」

「…前戯ってなにすればいいですか?」

「…というか、私たちの前戯はあってるんですかね?」

 

おぉ…そう来たか…。

でも、まぁ、確かに。

あえて、
「そういえばなにしてるっけ?」て意識して考えると意外に難しいのかもしれません。

キスして、抱き合って、お互いの体のあちこち触り合って…これを説明するの難しいですよね。

 

そんな方のために、
アダム徳永さんの『スローセックス入門マニュアル』のようなHow to 本があるわけです。

こういったHow to 本を読んでその通り実践してみるのもいいと思います。

 

でも、How to 本を読んで、実践して満足してしまってはいけません!

「これ以上何をしろと!?」

とという男性の声が聞こえてきそうですが…(笑)

 

先日行われた性科学会の性科学セミナーで、埼玉医大の高橋幸子先生が、家族計画協会の先の会長、北村邦夫先生の言葉を紹介されていました。

 

「こうゆうHow to 本は沢山あるけど、その通りにやればいいってもんじゃないんだよ」

「自分の性感帯は自分で開発するもの」

 

本当にその通りです。

セックスのしかたって、「こうすればいい」とか、ましてや「こうすべき」なんてものはないんです。

結局、プレイヤーがコミュニケーションを取りながら、ほかにないふたりのセックスを作って行くものなんですね。

 

では、どうやってつくればいいのか!?

 

そこですよね。

今日はセンセートフォーカステクニックという性機能障害でよく使われる方法をお話します。

日本語にすると感覚集中訓練です。

 

どうして前回のblogの更新から時間がかかってしまったのかというと、これを調べるのが難しいのがわかっていたのでなかなか始動できなかったことが大きいです(笑)(もちろん臨床業務が忙しかったのと論文の抄録の提出の準備があったのも大きいけど…)

 

教科書にはちゃんと書いてないんです😢

なんか、いろいろやり方があるらしく、しかも論文検索したけど
1972年のMasters & Jonson のものよ
1974年のKaplanのしか出てこない(この人たちは神様のような大御所)…。

 

そこで、私が一番参考にしたのは、白状しますがメンタリストDaiGoの解説でした(笑)

教科書通りのセンセートフォーカステクニックとDaiGoの解説を合わせて、さらにちょっと私なりにこうやったらいいかな?というのを織り交ぜて説明しますね。

 

教科書的にはセンセートフォーカステクニックは5段階に分けられます。

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日本で発刊されている唯一の医師向けの性機能の教科書

 

第1段階
裸になり、お互いの体を交互に愛撫しあう(ただし性器は除く)。愛撫されている側は相手のことは気にせず、全神経を愛撫されている感覚に集中する(ここがダイジ!!)。

そして、どう愛撫されたら心地よいか、好みを相手に伝える。

第2段階
第1段階に性器への愛撫を加える。ただし、オルガズムに導くような激しいものではなく、ソフトなもの。

第3段階
女性が上位(つまり騎乗位)になり短時間penisを挿入。自己刺激(つまりマスターベーション)や手や口による刺激でオルガズムに至る。

第4段階
騎乗位でオルガズムに至るまでpenisを腟内に挿入する。

第5段階
男性上位(つまり正常位)でオルガズムに至るまでpenisを腟内に挿入する。

 

あれ?これ普通の性行為じゃん(笑)

 

なので、前戯をする目的にアレンジします。
具体的な状況も書いてないしね。
まったく想像つかないので、いままで私はあんまり臨床に取り入れてなかったのですが、具体的にやり方を整理すれば、すごくよく使えるかな、と思っています。

 

まず、お互い裸になる。今回、まずは女性に横になってもらいましょう(ゲイやレズビアンの方も臨機応変に。)

 

第1段階

男性は、女性の体を好きなように触ってください。
但し、ルールがいくつかあります。

Rule1. 胸(乳房、乳首)と性器にはふれない

Rule2. 相手(女性)の反応を気にしない

Rule3. 男性自身が女性の肌の肌触りやぬくもりを楽しむ

Rule4. 最中は、女性はどう感じたか話さない。男性はどう感じたか話してもよい。

 

これを10~15分くらいで行います。

 

第2段階

第1段階に胸(乳房と乳首)を加える
Ruleは一緒。
これも10~15分くらいで行う。

 

第3段階

第2段階に性器を加える
Ruleは一緒。
これも10~15分くらいで行う。

 

第4段階

女性は男性にどこをどう触った時にどう感じたか伝える。

気持ちが良かった部分または、こうして欲しい触り方を、「どこを」「どんなふうに(速さや強さ、指の腹なのか、手の甲なのか、爪なのか?)」触ったら気持ちがいいのか?触って欲しいのか伝え、実際に男性に触ってもらう。

男性は、今度は女性の反応を見ながら、かつ、自分も、どう触れたら心地いいか確認する。

 

女性側の効果

どこをどう感じるかって、結構自分ではわからないものです。
女性の意志ではなく男性が触ってみたいところ(「女性が気持ちよさそうなところ」ではなく、「男性が触ってみたいところ」というのがポイント)を触る。
こうすることで女性は意外な自分の性感帯に気付いたり、どう触れられたら気持ちよく感じるのかを発見できる。

 

セックスの最中はなかなか流れを止めたくなかったり、盛り上がった気持ちを中断させないために、男性にどのタイミングでどう伝えたらいいかわからないことがあると思います。
「ま、いっか」となってしまい、伝えられずに何か月も何年も過ごしてしまう人もいるでしょう。センセートフォーカスを時々セックスの中に取り入れ、ゲームをプレイする感覚でやってもらえば、そうゆうruleなので伝えやすいのではないでしょうか?
(だから最後までしっかりやってみて下さいね♡)

 

男性側の効果

男性は、ruleに従うことで、penisの挿入に対する執着を捨てることができ、penisを挿入する悦びだけでなく、女性の体に触れる悦びがあることを発見できます。

女性の反応を気にしないことで、
「自分の愛撫の仕方が相手にとって気持ちよくなかったらどうしよう」というプレッシャーを感じずに女性の体に触れることに集中できます。
セックス中は、このプレッシャーに男性も女性もいろんなことが阻害されています。これもいつか解説したいネタではあります。

 

これを、是非逆でもやってみて下さい。つまり。次は男性が横になってやってみます。

一回のセックスでは女性側も男性側も、はなかなか取り入れられないと思うので、日を改めても良いと思います。

ただ、第1段階から第4段階は一回でやりきってください。

これをときどきやってみれば、マンネリ防止にもなるし、体調や心境で感じる場所や感じ方が違うこともわかるかもしれません。
どんどん新しい性感帯が見つかるかもしれません。

なので、触れる側は意外な場所を触れてみるのもいいかもしれませんね。あおむけだけでなく、日によってうつ伏せや横向きでやってみてもいいかもしれません。

発見したことはどんどん普段のセックスに取り入れてみて下さい!

 

正直、資料が少ないですし、私もまだ勉強不足なので、今回のセンセートフォーカステクニックにこだわらず、またよい方法があったらご紹介していきたいと思います!

2021.7.4
村田佳菜子医師