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【女性器の構造と働き】“見えない場所”が私たちの健康を支えているということ

私たちのからだの中には、“ふだん意識しないけれど、とても大事な場所”があります。
たとえば「女性器」。
性的なことだけでなく、排尿・排便、出産、さらには内臓を支える役割まで──
目に見えないところで、実はすごい力を発揮してくれているのです。

でも、加齢や出産、ホルモンの変化で、この“見えない場所”がゆるんでくると、ちょっとした違和感や困りごとが出てくることも。

今回は、「女性器の構造」と、それにまつわるトラブル・ケアの方法について、わかりやすくお話ししていきます。

女性器の“構造”はどうなっているの?

女性器(フェムゾーン)は、外から見える「外陰部」だけでなく、体の奥にある「腟」や「膀胱」「子宮」などともつながっていて、いくつもの“層”でできています。

それぞれの層には、役割があります。


◉ 腟粘膜上皮層(じょうひそう)

腟のいちばん内側の層で、粘膜に覆われています。潤いを保ち、腟内を守るバリアのような働きがあります。
エストロゲン(女性ホルモン)の影響を大きく受けていて、更年期以降に薄くなりがち。これが「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」の原因に。

→ この層には、**腟レーザー(モナリザタッチやインティマレーザー)**の照射が効果的。
コラーゲンを増やし、潤いと弾力を回復させることで、性交痛や乾燥、不快感を改善します。


◉ 皮下組織層

粘膜のすぐ下には、毛細血管や神経が走るやわらかな組織があります。
ここは「感度」や「感覚」にも関係していて、腟の潤いや血流を保つのに大切な役割を果たします。

→ 血流や栄養の循環を促す**ミラジェット(ジェット水流注入)**で、ハリ感・感度を高めるケアも可能です。


◉ 筋膜層(きんまくそう)

筋肉を包む膜の層。
腟のゆるみや骨盤底の支持力に深く関わっています。出産や加齢でこの層が緩むと、「腟の中が広がった感じ」「尿漏れ」「子宮脱」などの症状が出てくることも。

→ **腟スレッド治療(吸収糸による引き締め)**は、この筋膜層をターゲットにし、構造的なゆるみを改善します。コラーゲンを増やしながら、腟壁の支えをつくります。


◉ 筋肉層

骨盤底筋群と呼ばれる筋肉の集まりで、腟や肛門、尿道をぐるっと囲んでいます。
臓器を支えたり、排泄のコントロールに関係している“縁の下の力持ち”です。

→ 専門家の指導による骨盤底筋リハビリテーションや、腟トレーニングなどで強化が可能です。


◉ 漿膜層(しょうまくそう)

腟のいちばん外側、腹腔と接する層です。
ここは、腟を通して腹腔内へつながる経路でもあるため、手術や重度の脱などのケースで重要になります。

→ 漿膜層へのアプローチは外科的対応(例:TFS手術など)になりますが、LUNAでは予防・早期ケアを重視しています。


見えない“内側”にこそ、ケアのチャンスがある

「なんとなく違和感があるけど、年齢のせいだから仕方ない…」
「痛みや乾燥を話すのが恥ずかしい…」

そんなふうに感じている方も多いかもしれません。
でも、腟の構造や仕組みを知ることで、自分に合ったケアや治療法が見えてくるのです。

LUNAでは、

  • 年齢による変化(GSM)

  • 出産後のゆるみや尿もれ

  • 性交時の痛み

  • 腟の美容・機能改善

など、それぞれの状態や悩みに合わせた選択肢をご用意しています。


最後に:腟は“ホルモンと時間に左右される臓器”です

腟は、皮膚でも粘膜でもなく「ホルモンに左右される臓器」。
だからこそ、加齢や出産などでゆるみが出たり、乾燥しやすくなったりするのは“当然のこと”です。

大切なのは、変化に気づいたときに、適切なケアを選べるかどうか

フェムゾーンのケアは、自分の体を守り、自信と快適さを取り戻すための第一歩。
気になる症状がある方は、気軽にご相談くださいね。

👉 詳しくはこちら:女性医療クリニックLUNA公式サイト

 

2025.10.20
女性医療クリニックLUNAネクストステージ院長 中村りょう子