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LUNAのTFS尿失禁手術が、アメリカの著名な泌尿器科雑誌Journal of Urologyに報告・掲載されました!

Outpatient Mid-Urethral Tissue Fixation System Sling for Urodynamic Stress Urinary Incontinece : 1 Year Results Yuki Sekiguchi ,Manami Kinjyo ,Hiromi Inoue , Hisaei Sakata and Yoshinobu Kubota:

Journal of Urology 2009 Dec ;182, 2810-2813


TFS (Tissue Fixation System)による
中部尿道スリング日帰り尿失禁手術1年目の成績
関口由紀1)、金城真実1)、井上裕美2)、坂田寿衛3)、窪田吉信4)
横浜元町女性医療クリニック・LUNA1)、湘南鎌倉総合病院婦人泌尿器センター2)、
日本大学大学院グローバルビジネス科3)、横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座4)

1. はじめに

腹圧性尿失禁に対するTVT法の開発者であるP.P.PETROSが、骨盤臓器脱と尿失禁の両手術を、単一システムで、直視下で、安全に行うことを意図として2005年に発表したのがTissue Fixation System(以下TFS)である。 今回我々は、尿流動態的腹圧性尿失禁患者に対して施行した、TFSによる日帰り中部尿道スリング手術の1年目の成績に関して報告する。

2. 対象

2006年12月から2008年3月までに横浜元町女性医療クリニック・LUNAで施行された尿流動態的腹圧性尿失禁患者を対象とした中部尿道TFSスリングの成績を、手術後1年の時点で評価した。症例数は、44例、平均年齢は、58.2±11.9歳、BMIは23.57±12.03。閉経率は61.4%.であった。

3. 術前データを以下に示す。

表1.術前データ
ストレステスト 全員(+)
残尿 10ml以下
尿流動態検査時の
膀胱過活動
全員(-)
24時間パットテスト 108±259
ALPP 81.5± 34.1 cmH2O
MUCP 33.1± 15.7 cmH2O

このうち尿道括約不全(ALPP<65mmH20またはMUCP<20mmH20)は、15例(34.1%)であった。

4. 手術方法

尿道口の約1cm下の膣前壁に約1cmの縦切開を置き、左右に剥離し、尿生殖隔膜上に
アンカーを移植し、尿道直下に位置するようにテープ長を調整し、移植した。

図1:TFS装置
TFS装置

図2:中部尿道TFSの移植図
中部尿道TFSの移植図

5. 周術期データ

手術成績を以下に示す。

表2.周術期データ
局所麻酔も含めた手術時間 24.5± 7.7 分minutes
(最低 15分、最高50分)
出血量 17.7± 21.7 ml
(最低3ml , 最98ml)
院内滞在時間 5.56±1.06時間
(4時間―8時間)

8時間以内に自排尿が得られなかった症例は5例であった。
5例には、DIB CUP付の尿道カテーテル留置し帰宅させ、2日後に尿道カテーテルを抜去し、全員が自排尿可能となった。

6. 結果

以下に手術後1年目の成績を示す。ストレステスト陰性、24時間パットテスト3g以下を成功とした。尿禁制率は、44例中40例(90.9%)であった。

図3:術後1年目の手術成績
術後1年目の手術成績

尿禁制を得られなかった4例のうち3例には、テープのゆるみがあると判断し、術後6ヶ月目に再手術を行い、再手術後は全員に尿禁制が得られた。テープによる膣壁びらんは1例に認められ、テープを切断したが、現在のところ尿禁制は保たれている。

7. 考察

当院におけるTFSの1年目成績は、TVTの1年目の成績(87-91%)とほぼ同等である。失敗例4例のうち2例は、初期の5例に含まれていた。よって当院でのラーニングカーブは、5例程度と考えられた。その後の2例は、ランダムに約20例に1名程度の割合で起こっていた。そしてこれらの患者に2度目の手術を行うと尿失禁症状は改善した。このことからISDの中には、尿生殖隔膜を含む中部尿道周囲の結合組織が極度に脆弱な症例がおり、これらの患者ではアンカーの固定が悪く、充分な尿禁制が得られない。しかし1回目の手術により癒着による組織の強化がおこるため、2回目の手術でアンカーが安定して固定されるようになり、尿禁制が得られる可能性があると考えられた。

8. 結論

TFSによる中部尿道スリング手術は、無床クリニックでも行える、簡単で安全で、効果の高い術式であることが示唆された。