自由診療

TFSによる体に優しい日帰り尿失禁手術

尿失禁手術について

TVT(TENSION FREE VAGINAL TAPE)手術は、1990年ごろから世界中で行われるようになった腹圧性尿失禁の手術です。日本では、現在健康保険が適応される尿失禁手術として定着しています。
これは恥骨尿道靭帯という恥骨の両側と尿道の下を通る靭帯を想定し、これをポリプロピレンという生体適合性のよい線維のテープでU字型に補強するものです。 TVT手術は、日本全国どこでも受けることができます。入院期間は二泊三日から一週間くらいです。それ以前の手術にくらべ治療成績が格段によく、手術方法も簡単な画期的な手術です。
しかしまだいくつかの問題点があります。  
image TVTはすばらしい手術ですが、テープが膀胱の近くを通過するために、数%の確率で、手術時に膀胱穿刺という合併症があることと、恥骨の裏をテープが通るため、ごくまれですが、恥骨のうらに大きな血管がある場合これを傷つけ出血してしまうことがあるのです。そして世界的には、腸を刺してしまったための死亡例が数例報告されています。

この欠点を補うのが、TOT(TRANCE OBTURATOR TAPE)手術です。専門的に細かくいえば、TVT手術は、恥骨尿道靭帯を補強する手術でしたが、この手術は膣ハンモックと呼ばれる尿道を下支えする膣の結合組織を補強する手術になります。
ほぼTVT手術と同じことが、半分程度の手術時間で、合併症のリスクも少なく行えるようになったことが圧倒的な利点です。また命に差し障る合併症がないので、日帰り手術も可能になりました。しかしTOT手術にも、まだ欠点が2つありました。
1つは、軽症の尿失禁には有効ですが、重症になると効果が低下することです。尿道は、前述のように恥骨尿道靭帯と膣ハンモックという2つの構造物で支えられているのですが、TOTはこのうち支持力の弱い膣ハンモックのみの補強になるため、重症例には効果が低くなるのです。
 
もう1つの欠点は、閉鎖孔の穿刺に際に、閉鎖神経を傷つけることがあり、手術後に大腿の内側に違和感や痛みが長く残ることがあることです。 この2つの欠点を完全に克服したのがTFS手術です。

TFS手術は、TVT手術を開発したオーストラリアのピーター・ペトロス先生が、TVT手術の欠点を克服するために開発した手術です。
尿道の下を通るポリプロピレンテープの先端をアンカーと呼ばれるポリプロピレン製のクリップで、恥骨下の尿生殖隔膜というところに装着するのです。この簡単な操作でTVT手術と同様に恥骨尿道靭帯を補強できるので、重症尿失禁も治療可能で、術後の陰部や足の痛みは、全くありません。そしてほぼ100%日帰り手術で行えます。

最新医療のため、残念ながら2013年現在で健康保険は適用されず、自費手術となります。当院では、世界に先駆けてこの TFS尿失禁手術を導入し、安定した術後成績を収めています。